【完全ガイド】初心者向けシングルバーナーの失敗しない選び方!CB缶・OD缶の違いを徹底解説

「キャンプの醍醐味は、やっぱり自然の中で食べるごはん!」

多くのキャンパーがそう口を揃えます。澄んだ空気と美しい景色の中で、自分で沸かしたお湯でコーヒーを淹れたり、簡単な料理を作ったりする時間は、何物にも代えがたい特別なひとときです。

その「特別なひととき」を実現するための最も心強い相棒が、シングルバーナーです。

しかし、いざシングルバーナーを選ぼうとすると、

「そもそも種類が多すぎて、どれを選べばいいか分からない…」 「CB缶?OD缶?何が違うの?」 「一体型と分離型って、どっちがいいんだろう?」

など、次々と疑問が湧いてきて、結局どれを買えばいいのか分からなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。

ご安心ください!この記事では、そんなキャンプ初心者の方が抱える疑問や不安をすべて解消します。

この記事を最後まで読めば、以下のことが分かります。

  • シングルバーナーがキャンプでなぜ必要なのか
  • 最重要ポイントである「CB缶」と「OD缶」の決定的な違い
  • あなたにピッタリな一台を見つけるための具体的な選び方5ステップ
  • 安全に使うための注意点や、あると便利な関連ギア

この記事は、アウトドアショップでの勤務経験がある筆者が、専門用語をできるだけ使わず、図や表を交えながら「世界一わかりやすく」解説することを目標に執筆しました。

この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って自分に最適なシングルバーナーを選ぶための知識が身についているはずです。さあ、一緒に最高のアウトドアごはんへの第一歩を踏み出しましょう!

目次

第1章:そもそもシングルバーナーって何?キャンプに欠かせない理由

まずは基本の「き」から。シングルバーナーとは、その名の通り「シングル(一つ)」の「バーナー(火口)」を持つ、非常にコンパクトな携帯用コンロのことです。様々なシングルバーナーの画像

360life.shinyusha.co.jp

主な役割は、屋外でお湯を沸かしたり、調理をしたりすること。これだけ聞くと「焚き火でやればいいんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。しかし、シングルバーナーには焚き火にはない、たくさんのメリットがあるのです。

なぜ焚き火だけではダメなのか?

焚き火での調理はもちろんキャンプの醍醐味の一つですが、いくつかのデメリットもあります。

  • 準備と後片付けが大変:薪を組んで火をおこし、調理できる安定した火力になるまでには時間がかかります。後片付けも大変です。
  • 火加減の調整が難しい:焚き火でご飯を炊いたり、繊細な火加減が必要な料理をしたりするのは至難の業です。
  • 場所を選ぶ:キャンプ場によっては、直火(地面で直接焚き火をすること)が禁止されていたり、焚き火台の使用が必須だったりします。また、天候によっては火をおこせないこともあります。

一方、シングルバーナーはこれらの問題をすべて解決してくれます。

シングルバーナーがキャンプで活躍するシーン

  • 朝、起きてすぐの一杯に:サッとお湯を沸かして、淹れたてのコーヒーや温かいスープを。
  • 手軽なランチに:インスタントラーメンを作ったり、レトルト食品を温めたり。
  • 本格的な調理に:火加減を調整して、ご飯を炊いたり、炒め物をしたり。
  • 登山やハイキングで:山頂での温かい食事が、疲れた体を癒やしてくれます。

このように、シングルバーナーは**「いつでも、どこでも、手軽に火を使える」**という、キャンプにおける食の自由度を劇的に向上させてくれる魔法のアイテムなのです。

第2章:最重要ポイント!CB缶とOD缶の違いを徹底解説

さて、ここからが本題です。シングルバーナー選びで初心者が最初につまずく最大のポイントが、燃料となるガス缶(ガスカートリッジ)の種類です。

ガス缶には大きく分けて**「CB缶」「OD缶」**の2種類があり、それぞれに全く異なる特徴があります。どちらを選ぶかによって、使えるバーナーも、キャンプスタイルも大きく変わってきます。それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解しましょう。

CB缶(カセットボンベ缶)とは?

CB缶の画像

hinata.me

CB缶は「Cassette Gas Bombe」の略。ご家庭で使うカセットコンロのガスボンベと言えば、誰もが見たことがあるでしょう。あの細長い缶のことです。

CB缶のメリット

  • 圧倒的な入手しやすさ:最大のメリットです。スーパー、コンビニ、ホームセンター、100円ショップなど、どこでも手に入ります。キャンプ場でガスが切れても、すぐに調達できる安心感があります。
  • 価格が安い:1本あたり100円~200円程度と非常に経済的です。コストを抑えたい初心者には嬉しいポイントです。

CB缶のデメリット

  • 低温に弱い:CB缶の中に入っている「ノルマルブタン」というガスは、気化する温度が高いため、気温が10℃を下回ると急激に火力が落ち、5℃近くなるとほとんど使えなくなってしまいます。冬キャンプでの使用には向きません。
  • 形状がかさばる:細長い形状のため、バックパックの中で意外と場所を取ります。また、バーナーに接続した際の見た目もスマートとは言えません。

CB缶はこんな人におすすめ!

  • 春~秋の暖かい時期にキャンプをする人
  • ファミリーキャンプやオートキャンプがメインの人
  • とにかくコストを抑えたいキャンプ初心者
  • まずは手軽にアウトドアクッキングを始めてみたい人

OD缶(アウトドア缶)とは?

OD缶の画像

waq-online.com

OD缶は「Out Door」の略。その名の通り、キャンプや登山などのアウトドアシーンで使うことを前提に作られた専用のガス缶です。ずんぐりとした台形のような形が特徴です。

OD缶のメリット

  • 低温に強い:OD缶には、ノルマルブタンに加えて「イソブタン」や「プロパン」といった、より低温で気化するガスが配合されています。そのため、製品にもよりますが氷点下(-10℃程度)でも安定した火力を維持できます。冬キャンプや標高の高い場所でも安心して使えます。
  • コンパクトで携帯性に優れる:形状が安定しており、クッカー(鍋)の中に収納(スタッキング)できるモデルも多く、パッキングしやすいのが魅力です。
  • 高火力のモデルが多い:アウトドアでの使用を想定しているため、パワフルなモデルが豊富です。

OD缶のデメリット

  • 価格が高い:1缶あたり500円~1,000円程度と、CB缶に比べて高価です。
  • 入手場所が限られる:アウトドア専門店や大型のスポーツ用品店などでしか手に入りません。事前の準備が必須です。

OD缶はこんな人におすすめ!

  • 冬キャンプや標高の高い場所でもキャンプを楽しみたい人
  • ソロキャンプや登山など、荷物をコンパクトにしたい人
  • 安定した高火力を求める人
  • 見た目のかっこよさや「本格派」の雰囲気を重視する人

【一目でわかる】CB缶 vs OD缶 比較まとめ表

項目CB缶 (カセットボンベ缶)OD缶 (アウトドア缶)
見た目細長い円筒形ずんぐりした台形
主な成分ノルマルブタンイソブタン、プロパン混合
価格安い (1本100円~)高い (1本500円~)
入手しやすさ非常に良い (コンビニ、スーパー等)限られる (アウトドア専門店等)
耐寒性弱い (10℃以下で性能低下)非常に強い (氷点下でも使用可)
コンパクトさかさばる優れる (スタッキングしやすい)
火力標準的高いモデルが多い
おすすめ初心者、ファミリー、暖かい季節本格派、ソロ、登山、寒い季節

【重要】ガス缶とバーナーのメーカーは必ず揃えよう! CB缶もOD缶も、接続部分の規格は概ね同じですが、メーカーは**「必ずバーナー本体と同じメーカーの純正ガス缶を使用してください」**と定めています。異なるメーカーのものを組み合わせると、ガス漏れや火災、爆発などの重大な事故につながる危険性があります。安全のため、必ず純正品を使いましょう。

第3章:初心者向けシングルバーナーの選び方【5つのステップ】

CB缶とOD缶の違いが分かったところで、いよいよ具体的なバーナーの選び方を見ていきましょう。以下の5つのステップに沿って考えれば、あなたに最適な一台がきっと見つかります。

ステップ1:まずは燃料(CB缶/OD缶)を決める

第2章で解説した通り、まずは自分のキャンプスタイルに合った燃料を選びます。

  • 「とりあえず始めてみたい」「家族と暖かい時期に行くのがメイン」CB缶モデル
  • 「ソロキャンプで荷物を減らしたい」「冬もキャンプしたい」「本格的にやりたい」OD缶モデル

ここが全てのスタート地点です。燃料を決めれば、選ぶべきバーナーの候補がぐっと絞られます。

ステップ2:バーナーの形状を選ぶ(一体型 vs 分離型)

シングルバーナーには、火口(バーナーヘッド)とガス缶の接続部分の構造によって**「一体型」「分離型」**の2種類があります。

一体型バーナー

一体型シングルバーナーの画像

taro01.com

ガス缶の真上に直接バーナーヘッドを取り付けるタイプです。OD缶バーナーの多くがこの形状です。

  • メリット
    • 構造がシンプルで軽量・コンパクト:部品が少なく、手のひらに収まるほど小さいモデルも。
    • 設営・撤収が簡単:ガス缶に取り付けるだけなので、すぐに使えます。
  • デメリット
    • 重心が高く不安定:特にOD缶は背が高くなるため、平らな場所でないと倒れやすいです。大きな鍋を置くのにも向きません。
    • 輻射熱(ふくしゃねつ)に注意:バーナーの熱が下のガス缶に伝わりやすい構造です。大きな鉄板や鍋で缶全体を覆うような使い方は、ガス缶が過熱されて爆発する危険があり、絶対にNGです。
  • おすすめシーン:ソロキャンプ、登山、ツーリング、湯沸かしや簡単な調理がメインの場合

分離型バーナー

分離型シングルバーナーの画像

camphack.nap-camp.com

バーナーヘッドとガス缶をホースで繋ぐタイプです。CB缶バーナーの多くがこの形状を採用しています。

  • メリット
    • 重心が低く安定感抜群:バーナー本体を地面に直接置くため、非常に安定しています。ダッチオーブンのような重い鍋を載せられるモデルもあります。
    • 大きな調理器具が使える:バーナーヘッドとガス缶が離れているため、輻射熱の影響を受けにくく、大きなフライパンや鍋も安心して使えます。
    • 寒さに強いモデルも:ガス缶を温めやすい(※推奨される方法で行う必要があります)という利点もあります。
  • デメリット
    • 重くてかさばる:一体型に比べて部品が多く、重くなります。ホースがある分、収納サイズも大きめです。
    • 設営に一手間かかる:脚を開いてホースを伸ばして、と設営に少しだけ時間がかかります。
  • おすすめシーン:ファミリー・グループキャンプ、オートキャンプ、安定した場所で本格的な調理を楽しみたい場合

ステップ3:五徳(ごとく)の大きさと安定感をチェック

五徳は、鍋やクッカーを載せるための台座部分です。ここの形状や大きさも非常に重要です。

  • 五徳の大きさ:自分が使いたいクッカーの底の大きさに合っているか確認しましょう。五徳が小さすぎると大きな鍋は載せられませんし、逆に大きすぎるとシェラカップのような小さなものを載せたときに不安定になります。
  • 五徳の脚の数:一般的に3本脚よりも4本脚の方が安定性が高くなります。
  • 折りたたみ式か:ほとんどのモデルは五徳が折りたためるようになっていますが、その構造がしっかりしているかもチェックポイントです。

自分がどんなサイズのクッカーで、どんな料理をしたいかをイメージしながら選ぶのがコツです。

ステップ4:点火装置の有無を確認する

多くのシングルバーナーには、**圧電点火装置(ピエゾイグナイター)**という機能がついています。これは、カチッとボタンを押すだけで火花が飛び、ガスに点火できる便利な機能です。

  • 点火装置ありのメリット:ライターやマッチが不要で、風が強い日でも簡単に点火できます。
  • 点火装置ありのデメリット:高所や低温下では機能しにくいことがあります。また、衝撃で故障するリスクもゼロではありません。

点火装置は非常に便利ですが、故障に備えてライター、マッチ、メタルマッチなどを予備で必ず携行するのが賢いキャンパーです。点火装置がないモデルは、その分軽量で安価な傾向があります。

ステップ5:あると便利な機能(マイクロレギュレーターなど)

最後に、より快適な使用をサポートしてくれる付加機能にも注目してみましょう。

  • マイクロレギュレーター:これは、低温時や連続使用時に起こりがちな「火力の低下(ドロップダウン)」を防ぐ画期的なシステムです。ガス缶が冷えてきても安定した火力を維持してくれるため、特にCB缶の弱点を補う素晴らしい機能と言えます。(例:SOTO製品に搭載)
  • 風防(ウィンドスクリーン):バーナーの炎を風から守るためのものです。標準で付属しているモデルもありますが、別売りの場合がほとんどです。風が強い屋外では炎が流されて熱効率が著しく低下するため、風防はほぼ必須のアイテムと言っていいでしょう。

これらの機能を考慮に入れることで、より自分の理想に近い一台を選ぶことができます。

第4章:シングルバーナーを安全に使うための7つの注意点

手軽で便利なシングルバーナーですが、一歩間違えれば火災や事故につながる危険性もあります。安全に楽しむために、以下の点は必ず守ってください。

  1. テント内・車内では絶対に使用しない 換気が不十分な密閉空間で火器を使用すると、一酸化炭素(CO)中毒を引き起こす危険があり、最悪の場合、死に至ります。一酸化炭素は無味無臭で、気づかないうちに中毒症状が進行します。必ず屋外の風通しの良い場所で使用してください。
  2. 必ず平らで安定した場所に設置する 不安定な場所で使用すると、調理中にバーナーが倒れて火傷をしたり、火災の原因になったりします。必ず固く平らな地面や、安定したテーブルの上で使用しましょう。
  3. 輻射熱に注意する 特に一体型バーナーで、バーナーのサイズに合わない大きな鉄板や鍋を使うのは非常に危険です。バーナーの熱が下に伝わる「輻射熱」によってガス缶が過熱され、爆発する恐れがあります。
  4. ガス缶を正しく取り付ける ガス缶を取り付ける際は、器具栓ツマミが「ー」(OFF)の位置にあることを確認し、説明書に従ってまっすぐ、確実にねじ込みます。「シュー」という音がしないか確認し、少しでもガスの匂いがしたらすぐに使用を中止してください。
  5. 予備の燃料と点火器具を持つ いざ使おうとしたらガス切れ、ライターが濡れて使えない、という事態は避けたいもの。予備のガス缶と、ライターやメタルマッチなどの点火器具は必ず持っていきましょう。
  6. 使用後はガス缶を外して保管する 使い終わったら、必ずバーナーからガス缶を取り外して保管します。バーナー本体が十分に冷えてから収納ケースに入れましょう。ガス缶は高温になる車内や直射日光が当たる場所に放置してはいけません。
  7. 使用前に必ず取扱説明書を読む 最も大切なことです。この記事で紹介した内容は一般的な知識であり、最終的にはお使いの製品の取扱説明書が絶対的なルールです。使用前には必ず隅々まで目を通し、正しい使い方をマスターしてください。

第5章:あるとキャンプがもっと快適になる!関連ギア紹介

最後に、シングルバーナーと合わせて揃えたい、キャンプごはんをより快適で豊かにしてくれる便利なアイテムをいくつかご紹介します。

  • クッカー(コッヘル) アルミ、ステンレス、チタンなど様々な素材があります。ソロキャンプなら小型のもの、ファミリーなら大きいものと、自分のスタイルに合わせて選びましょう。バーナーとスタッキング(重ねて収納)できるものが便利です。
  • 風防(ウィンドスクリーン) 風から炎を守るためのアイテム。熱効率が格段に上がり、ガスの節約にも繋がります。折りたたみ式の軽量なものがおすすめです。
  • 遮熱テーブル CB缶バーナーと組み合わせて使うと便利なアイテム。バーナーをテーブルに埋め込むように設置でき、輻射熱からテーブルを守りつつ、調理スペースを確保できる優れものです。
  • カトラリーセット お気に入りの箸やスプーン、フォークがあれば、食事の時間がもっと楽しくなります。コンパクトに収納できるキャンプ用のセットが便利です。
  • ガス缶カバー むき出しのガス缶に被せるレザーや布製のカバー。サイトの雰囲気をオシャレに演出してくれるだけでなく、夏場の直射日光や冬場の冷えを多少緩和する効果も期待できます。

まとめ:あなただけの最高の相棒を見つけるための第一歩

ここまで、シングルバーナーの基本から、CB缶とOD缶の決定的な違い、そして具体的な選び方まで、詳しく解説してきました。

もう一度、大切なポイントをおさらいしましょう。

  • あなたのキャンプスタイルは? → まずは**「CB缶」か「OD缶」か**を決める!
  • どんな使い方をしたい? → コンパクトさの**「一体型」か**、安定性の**「分離型」か**を選ぶ!
  • あとは細部をチェック!五徳の大きさ、点火装置、便利機能などを比較検討する!

たくさんの種類があって難しく感じるかもしれませんが、それはつまり、あなたの理想のキャンプスタイルに合わせて、ぴったりの一台を選べるということです。

この記事で解説した「選び方の基準」を元にすれば、数ある製品の中からでも、きっとご自身のキャンプスタイルに合った一台を見つけ出すことができるはずです。

さあ、あなただけのアウトドアの相棒を見つける旅へ出発です。そして、最高のシングルバーナーで、最高のキャンプごはんを楽しんでください。

安全に気をつけて、素晴らしいアウトドアライフを!

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